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更年期障害対策
心身の変化にどう向き合う?
更年期とは、文字通り「年が更(あらた)まる時期」を意味し、主に45~55歳の前後にあたる周閉経期にあたります。
一般的には50歳を境に閉経を迎える10年間が含まれ、この間、心身にさまざまな変化が訪れます。特に、30~50代の女性の約7割が経験するとされる更年期障害は、日常生活に支障をきたす場合もあります。
今回は、この更年期および更年期障害の原因・症状・予防法・治療法をわかりやすく解説します。

更年期障害の原因
更年期障害の原因は主に以下の要因によるとされています。それぞれ見ていきましょう。
女性ホルモンの欠乏
更年期には、卵巣機能が低下し、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が急激に減少します。
通常、脳の視床下部が「女性ホルモンを分泌しなさい」と指示を出し、卵巣がそれに従ってホルモンを分泌します。しかし、更年期を迎えると卵巣の機能が衰え、脳からの指示に応じて十分にエストロゲンが分泌されなくなります。そのため、脳は「もっとホルモンを出せ」と信号を送りますが、卵巣はその指示に応じることができなくなります。
この結果、エストロゲンの分泌量が急激に減少し、ホルモンバランスが崩れることで、さまざまな体調不良を引き起こします。
心理的因子
ホルモンバランスの変化だけでなく、年齢に伴う心の不安定さも関与します。
例えば、子育ての終了や老後への不安、身体の変化への戸惑いなどがストレスとなり、症状を悪化させることがあります。
社会的因子
社会的な役割の変化や人間関係のストレスも、更年期障害に影響します。例えば、仕事の環境変化、介護の負担、家庭内の役割変化などが心理的な負担となり、身体の症状と相まって状態を複雑にすることがあります。
● セルフチェック
「最近体調が優れない…」「更年期かもしれない…」と感じている方は、一度セルフチェックを試してみるのも良いかもしれません。
日々の体調や気分の変化を数字で確認することで、現在の状態を客観的に把握することができます。
各質問に答えて合計点数を計算し、結果に応じた状態や対応を参考にしてください。

更年期障害の症状
更年期障害の主な症状には以下のようなものがありますが、実際には症状は100種類以上あり、人によって感じる症状やその程度は異なります。
● 身体的症状
ホットフラッシュ(のぼせ)
急に顔や体が熱くなり、汗をかく症状。特に夜間に発生しやすいです。
寝汗(ナイトスウェット)
夜間に大量の汗をかき、睡眠の質が低下します。
関節や筋肉の痛み
体の関節や筋肉がこわばったり、痛みを感じることがあります。
体重増加
代謝が低下し、特に腹部に脂肪が付きやすくなります。
頭痛やめまい
頭痛や立ちくらみ、めまいが頻繁に起こることがあります。
便秘や消化不良
腸内の動きが鈍くなり、便秘になりやすい。消化不良感も感じることがあります。
口の渇き
口腔内が乾燥し、のどが渇きやすくなることがあります。
● 精神的症状
気分の変動(イライラ、抑うつ)
イライラ感や不安感、時にはうつ状態になることがあります。
不安や焦燥感
突然の不安や焦燥感が襲うことが多く、リラックスできない。
集中力や記憶力の低下
物忘れが増え、思考がまとまらないことがある。記憶力や集中力が一時的に低下します。
● 睡眠に関する症状
不眠症
寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまうことや、睡眠が浅くなることもあります。
疲労感や倦怠感
睡眠不足やホルモンバランスの影響で、日中に強い疲れや倦怠感を感じることがあります。
● 心理的症状
自己イメージの変化
更年期による体調の変化や年齢を感じることにより、自己イメージが低下することがあります。
ストレス
ホルモンの変動や生活の変化により、ストレスを感じることが増える可能性があります。
更年期障害に効くストレッチ・運動
骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋を鍛えることで、女性ホルモンの減少による体調不良の予防に役立ちます。
仰向けに寝て膝を立て、骨盤底を意識してギュッと締める動作を10秒間キープ。これを10回繰り返すだけで効果を実感できます。
簡単にできるので、毎日のルーティンに取り入れましょう。

スクワット
下半身を鍛えるスクワットは、更年期特有の代謝低下や筋力減少を防ぐのに効果的です。肩幅に足を開いて立ち、背筋を伸ばしたままゆっくりと膝を曲げて腰を落とします。
15回を1セットとして、無理のない範囲で行いましょう。筋力がアップするとともに、ホルモンバランスの改善にもつながります。

キャット&カウポーズ
更年期のストレスや疲労感を和らげるには、背骨の柔軟性を高めるストレッチがおすすめ。
四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め、吸いながら背中を反らせます。
この「キャット&カウポーズ」をゆっくりと10回繰り返すと、自律神経が整いリフレッシュできます。

チャイルドポーズ
心身の疲れを癒すのにぴったりなポーズです。
正座の姿勢から前屈しておでこを床につけ、腕を前方に伸ばします。そのまま深く呼吸をしながら1~2分間キープ。副交感神経を優位にし、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。

更年期障害の治療法
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◇ 薬物療法
薬物療法には、ホルモン補充療法と抗うつ薬・抗不安薬を用いた方法があります。ホルモン補充療法は、更年期に不足する女性ホルモン(エストロゲン)を補い、自律神経の乱れを改善することで、ほてりや発汗、不眠、動悸といった症状を緩和します。
一方、抗うつ薬や抗不安薬は、脳内の神経伝達物質を調整し、不安感や気分の落ち込みを和らげます。
いずれの方法も効果が期待されますが、医師の指示に従い慎重に使用することが求められます。 -
◇ 漢方療法
漢方療法は、体全体のバランスを整えることを目的とした自然由来の治療法です。
ほてりや冷え、イライラ、不安感などの症状に効果的です。漢方は副作用が少なく、体質改善も期待できるため、薬に頼りたくない方や長期的なケアを考える方に適しています。 -
◇ 当院での治療① 鍼治療
更年期障害では自律神経が乱れていることが多いので、自律神経に関与した経穴(ツボ)や、女性期疾患に関与する経穴(ツボ)に鍼を刺し、更年期障害の症状に対してサポートします。
詳しくはこちら
また鍼をする事でストレスの緩和やリラックス効果も期待出来るので更年期障害の原因にもアプローチが可能です。 -
◇ 当院での治療② 頭蓋骨矯正(頭痛安眠矯正)
当院の頭蓋骨矯正は、首や頭部の筋肉にアプローチし、頭痛やほてりなどの症状に対してアプローチしていきます。また更年期障害の症状に合わせてアロマを使いながら施術を行うので、自律神経の乱れを緩和しリラックスして受けてもらう事が出来ます。
詳しくはこちら
身体の疲労やストレスなどからくる更年期障害の方にもオススメです。 -
◇ 当院での治療③ 骨格矯正
当院の骨格矯正は、自律神経の通り道である背骨の歪みを整えて自律神経を調整し、自律神経からくる更年期障害の症状に対してアプローチします。
詳しくはこちら
姿勢が良くなる事で神経の圧迫を緩和し、負担を減らします。
更年期障害は、多くの方が経験する身体の不調です。原因や症状は人それぞれ異なりますが、適切な知識を持ち、自分に合った予防法や治療法を選ぶことで、より快適に過ごすことが可能です。
今回ご紹介したホルモン補充療法、漢方療法、抗うつ薬・抗不安薬療法など、さまざまな選択肢を参考にしながら、専門医と相談して最適な方法を見つけてください。そして、心身の健康を大切にしながら、新しい自分との出会いを前向きに楽しんでいきましょう。