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四十肩・五十肩
知られざる原因と効果的な対策
普段、皆さんがよく耳にする「四十肩」や「五十肩」という言葉ですが、実は四十肩・五十肩という病名がないことをご存知でしたか?
肩の痛みや動きの制限が特定の年代に多く見られることから、こうした呼び名がついていますが、実際には別の医学的診断名が存在します。
そこで今回の記事では、四十肩・五十肩の具体的な原因や症状、予防方法、そして治療方法について詳しく解説していきます。肩に違和感や痛みを感じている方は、ぜひ参考にしていただき、症状の改善に役立ててください。
正式な病名とは?
病因や症状の特性、治療法に基づいてそれぞれの病状に分類されます。
肩関節周囲炎(Shoulder Periarthritis)
肩関節に痛みがあり、関節の可動域が制限されます(運動がしにくくなります)凍結肩(frozen shoulder)
肩の関節包が硬化し、肩の可動域が大幅に制限される状態。これも四十肩や五十肩の一部として扱われます。癒着性肩関節包炎(Adhesive Capsulitis)
肩の関節包に炎症が起こり、関節の内側で癒着が形成されることにより、肩の動きが制限される状態です。四十肩・五十肩の原因とは?
明確な原因はわかっていませんが、以下のようなことが考えられます。
● 老化
年齢と共に、肩関節や周囲の筋肉、靭帯が次第に硬くなり、弾力性が失われます。これにより、肩の動きが制限され、関節の痛みや炎症が起こりやすくなります。また、加齢に伴い血流が低下し、肩の組織の修復力が弱まるため、肩のトラブルが発生しやすくなります。老化による自然な変化が、肩の健康に影響を与えることがあります。
● 使用過多
過度な運動や、長時間にわたる肩の使用、同じ動作の繰り返しなどが、肩の筋肉や腱に過剰な負担をかけます。これにより、肩関節に炎症が生じ、痛みや可動域の制限が発生することがあります。特に、肩を使う仕事やスポーツをしている人は、肩の疲労や損傷が積み重なりやすく、肩のトラブルを引き起こす原因となることがあります。
四十肩・五十肩が引き起こす症状
四十肩・五十肩は通常、「炎症期」・「拘縮期」・「寛解期」の3つに分けられます。それぞれ症状が異なりますので、以下で解説します。
● ① 炎症期
炎症に伴う鈍い痛みや不快感が出始めます。
最初は腕を上げる、肩を回すときのみ痛みがありますが、進行すると安静時にも痛むようになります。また夜に痛みが強くなる夜間痛も発生します。痛みはズキズキ、ジンジンと感じることが多く、肩を動かせないことによって筋肉が拘縮していきます。
肩周りに違和感を覚え、軽い運動やストレッチで一時的に楽になることがありますが、症状が続くこともあります。
● ② 拘縮期
炎症は落ち着くものの、痛むために動かせない→拘縮する→さらに動かせなくなるという状態にあります。
肩の動きが著しく制限され、腕を上げる、回すなどの動作が困難になります。痛みが持続的で、特に夜間に強くなり、肩がだるい、重い感じがします。
肩関節の柔軟性が大幅に低下し、日常生活に支障をきたすことが多く、治療やリハビリが必要になります。
● ③ 寛解期
痛みのない範囲で積極的に肩を動かすことで、次第に可動域が回復し、痛みも出にくくなります。
肩の動きの制限が残ることがありますが、肩の柔軟性が少しずつ戻り、改善が見られるようになります。
ただし、誤った方法で肩を動かすと、炎症や痛みが再発することもあります。適切な治療とリハビリが重要で、医療機関でのケアを受けることが大切です。
四十肩・五十肩の予防方法
四十肩・五十肩を完全に予防する方法は、残念ながら存在しません。しかし、以下のポイントに注意することで、四十肩・五十肩のリスクを軽減できる可能性があります。
◇ 姿勢を良くする
正しい姿勢を保つことは、肩の健康を維持するために非常に重要です。
デスクワークや長時間のスマートフォン使用で悪化しがちな猫背や前かがみの姿勢は、肩に不必要な負担をかけ、四十肩・五十肩のリスクを高めます。背筋を伸ばし、肩を引き下げる意識を持つことで、肩の筋肉と関節にかかる圧力を軽減できます。
◇ 肩甲骨周りの筋肉を鍛える
肩甲骨周りの筋肉を鍛えることで、肩関節の安定性が向上し、リスクを減らすことができます。
肩甲骨を動かすエクササイズや、肩を回すストレッチを定期的に行うことで、肩周りの筋肉を強化し、肩の柔軟性を保つことができます。特に、肩甲骨を寄せる動きや、肩を上下に動かすトレーニングは効果的です。
これにより、肩の動きがスムーズになり、四十肩・五十肩の予防につながります。
◇ 生活習慣病を予防する
生活習慣病を予防することも、肩の健康維持に役立ちます。肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病は、肩に余分な負担をかけ、四十肩・五十肩のリスクを高める可能性があります。
バランスの取れた食事や適度な運動を心がけることで、これらの病気のリスクを減らし、肩関節にかかる負担を軽減できます。
また、定期的な健康診断や体重管理も重要で、肩の健康を長く保つためには、全体的な生活習慣の改善が必要です。
四十肩・五十肩のセルフケア
コッドマン体操
1、 腰を曲げ、患部側の腕を床に対して垂直に下ろします。
反対側の腕は机や椅子などに置いてバランスをとります。
2、 患部側の腕をゆっくりと前後左右に振り、振り子のようにブラブラと回します。この時、肩の筋肉はリラックスさせ、腕が自重で自然に揺れるようにします。
3、 腕の振りにあわせて、同じ側の足に体重を移します。
4、 耐えられる範囲で、動きの幅を次第に大きくしていきます。
肩が動いているのを感じた状態で行うと良いです。
安静時痛や夜間痛などの炎症が強い時期はコッドマン体操を行うのは控えてください!症状を悪化させてしまう場合があります。
夜間痛がある時の寝方 ①仰向け
仰向けで寝る場合、肩とベッドの間に隙間を空けないように肘から肩にかけてタオルを入れます。
腕は、お腹の上に乗せておくと腕からかかる重さがなくなります。この状態で寝るのが理想です。
夜間痛がある時の寝方 ②横向き
横向きで寝る場合は、痛い方の肩を上にして寝てください。
タオルを丸めて抱き枕の様なものを作って、それを抱いて寝るのが理想です。
四十肩・五十肩の治療法
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◇ 薬物治療
内服
内服薬は、一般的に非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が処方され、痛みを和らげる効果があります。
関節内注射
関節内注射は、直接肩関節に抗炎症薬やステロイドを注射する方法です。
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◇ リハビリ
リハビリテーションは、肩の可動域や筋力を回復させるための重要な治療法です。専門家の指導のもと、肩のストレッチや強化エクササイズを行います。これにより、肩関節の柔軟性を向上させ、痛みを軽減することが可能です。
また、日常生活での正しい姿勢や動作の指導も含まれ、肩に負担をかけないようにすることがリハビリの一環です。継続的な運動とケアが回復を促進します。 -
◇ 手術
手術は、保存的な治療方法が効果を示さない場合に選択される最終手段です。
肩関節の内部の異常や損傷を修正するために行われ、関節の解剖学的な問題を改善します。
手術の内容は、肩の状態によって異なり、関節鏡視下手術などの minimally invasive(低侵襲)な方法もあります。手術後はリハビリが必要で、肩の機能を回復させるために、専門的なケアとトレーニングが重要です。 -
◇ 当院での治療① 全身矯正
当院の全身矯正はお身体の状態に合わせて矯正を行い、四十肩・五十肩の原因となっている姿勢不良や筋肉のバランスを改善します。
詳しくはこちら
しっかりとした矯正からソフトな矯正まで対応し、初めての方でも安心して受けられます。 -
◇ 当院での治療② 肩甲骨はがし
当院の肩甲骨はがしでは、肩や肩甲骨周りの筋肉の緊張をほぐし、血管や神経の圧迫を解消します。
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これにより、四十肩・五十肩の症状を改善し、肩の動きをスムーズにします。 -
◇ 当院での治療③ 鍼治療
当院の鍼治療では、四十肩・五十肩の原因となっている筋肉に直接鍼を刺すことで、筋肉の硬さや緊張を緩和し、神経や血管に対する負担を軽減します。
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これにより、痛みを和らげ、肩の可動域を改善します。
肩の痛みや可動域の制限が生活に与える影響は大きいですが、正しい知識と適切な対処法を知ることで、症状の軽減や改善が可能です。
この記事が四十肩・五十肩についての理解を深め、あなたの肩の健康を取り戻す一助となれば幸いです。痛みを和らげ、快適な日常を取り戻すために、ぜひ参考にしてみてください。
お悩みの方はお気軽にご相談ください。