2021年11月25日 | お身体に関すること, 手の症状に関すること, 肩の症状に関すること, 首の症状に関すること

胸郭出口症候群について

皆様、胸郭出口症候群という疾患をご存じでしょうか？
多くの方は聞きなれない言葉だと思います。しかし、パソコンやスマホが普及し生活の一部となったいまではでは胸郭出口症候群は現代病の一つです。
といことで今回は胸郭出口症候群について解説していきます。

胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群とは、腕や肩の運動や感覚にかかわる神経や動脈・静脈が圧迫あるいは牽引されることで肩や腕、手にしびれや痛み、だるさ、冷感などを感じる疾患です。患者様によっては肩こりと自覚される方もいます。
障害される組織により神経型、動脈型、静脈型の３種類がありますが90％神経型です。また、障害のされ方として圧迫型、牽引型、それぞれが混ざった混合型があり、70％以上が混合型と言われております。
デスクワークなどが多く姿勢の悪い方、なで肩の女性、重い鞄を肩にかけることが多い方が発症しやすいと言われております。

原因

肩や腕にかかわる神経や血管は胸郭出口という首から胸にかけて存在する通路を通ります。胸郭出口を通る神経には腕神経叢、血管には鎖骨下動脈・鎖骨下静脈があります。胸郭出口には解剖学的に狭くなっているところがあり、そのようなところを狭窄部位といいます。狭窄部位は3ヶ所あり圧迫型、あるいは混合型は狭窄部位で圧迫をうけ発症します。
狭窄部位は3ヶ所は以下の通りです。
①前斜角筋と中斜角筋と第一肋骨で構成される部分(斜角筋隙)
②第1肋骨と鎖骨の間(肋鎖間隙)
③小胸筋と肋骨の間(小胸筋下間隙)

また、頚肋と言われる先天的なものが原因になることもあります。頚肋とは下位頸椎(特に第7頸椎)から出てくる肋骨の遺残物のことです。大きさは様々ですが多きいものになると腕神経叢や鎖骨下動脈の圧迫し胸郭出口症候群を発症します。

上記の①～③はそれぞれ斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)、頚肋によるものは頚肋症候群という名称がつけられており、それらの総称が胸郭出口症候群です。

なで肩の女性や肩に重い荷物をかけることが多い方、猫背や巻き肩など姿勢の悪い方は特に発症しやすいと言われています。

胸郭出口症候群の症状

つり革につかまる時や、物干しの時のように腕を挙げる動作でや腕や手、肩甲骨周囲の痛みやしびれ、脱力感などの症状を感じます。また神経症状が強くなると感覚障害に加え、手が動かしにくくなる運動麻痺や筋力低下、筋萎縮などが生じます。
また、そういった症状以外にも肩こりとして自覚されるかともいます。
鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢への血流が悪くなり腕は白っぽくなり、痛みが生じます。鎖骨下静脈が圧迫されると、静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

胸郭出口症候群の治療

当院では胸郭出口症候群の患者様に3つの施術を提供しております。
1つ目が鍼灸治療です。鍼灸治療は深部の筋肉のに直接アプローチできるのが特徴です。圧迫の原因となっている斜角筋や小胸筋にアプローチを行い、症状の軽減を図ります。
２つ目は骨格矯正です。姿勢の悪い方は骨盤が後傾(後ろに倒れている状態)しており背骨が丸くなっていることが多いです。骨格矯正で骨盤や背骨を整えることで姿勢不良を改善し、神経や血管が圧迫されにくい状態をつくります。
3つ目は猫背矯正です。猫背や巻き肩になると小胸筋が固まりやすくなります。猫背矯正はストレッチのような形で筋肉の柔軟性を向上させ、猫背や巻き肩の改善とともに神経や血管が圧迫されにくい状態をつくります。

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